御曹司の深い愛が双子ママの心を甘く溶かす

 そんなことを思い、ほっこりした気持ちになっていると、外から救急車のサイレンが聞こえてきた。

 すると、電話の向こうからも同じサイレンが聞こえてきて、ふとあることに気がつく。


「洸星さん。今どちらにいますか?」


 東京から電話をかけているのだと思っていたが、もしかして……。


『有紗たちのアパートの近く。コインパーキングに車を止めて、そこから電話をしている』


 思わずカーテンを開けて窓の外を確認する。

 ここからだとコインパーキングは見えないが、やはり洸星さんはすぐ近くにいるようだ。


『有紗の顔を見て直接話そうと思いここまで来たが、こんな時間に会いに行くのは有紗の負担になると思ってやめた』


 それで彼は車から電話をかけてきたんだ。


「車からはもう降りてこないんですか?」


 せっかく近くにいるのに、会えないまま彼は東京に帰ってしまうのだろうか。


「私は洸星さんに会いたいです」

『俺も有紗に会いたい』


 彼が車から降りる音が電話の向こうから聞こえた。


『そっちに行ってもいいか?』

「はい」

『じゃあ電話は切る』


 通話が終了する。



< 142 / 162 >

この作品をシェア

pagetop