御曹司の深い愛が双子ママの心を甘く溶かす
そんなどんよりとした気持ちを抱えたまま仕事をしていたせいか今日は普段ならあり得ないミスをした。
私は大手電気メーカー『MISUMI電気株式会社』の社内にある社員食堂で管理栄養士として働いている。
献立作成や発注業務、食品の在庫管理などを行っているのだが、今日初めて発注ミスをした。
絹豆腐を発注するはずが間違えて木綿豆腐を発注し、調理担当の方々に迷惑をかけてしまった。
幸い代用できたけれど、やはり食感は違うし栄養価も違うのでもともと決めていた献立とは少し変わってしまった。
プライベートの悩みを仕事に影響させてしまうなんてあってはならない。
そのことにも落ち込み、今夜はすべてを忘れてしまいたくて行きつけのこのバーで普段よりも強いお酒を飲んでいる。
私はグラスの中にわずかに残るお酒をゴクッと喉に流し込んだ。
二杯目を注文しようとしたとき、カウンターの隅の席にスーツ姿の男性が現れるのが見えた。
座面の高いハイチェアにもスムーズに座れてしまうほどの高身長。
光沢感のある上質な生地を使用したスリーピーススーツに身を包み、袖口からちらっと見えるのはおそらくハイブランドの腕時計。
見るからにお金持ちそうな人がなぜカジュアルバーに来ているのだろう。
そう不思議に思うほど見た目にオーラのある男性だ。