マモノ狩り或いは激情2オープンザゲート
大会へ行ってみると、試合の枠は組んでおられずエキシビジョン枠が用意してあった。大会第0試合。

会場内、観客の姿もまばらの中、リングの対角線上にその男はいた。

まさかの、チーム崑崙の白虎。
現在ランキング3位。

やぁ、来たかい。
軽口の男。肩までかかる髪は白髪。
上半身裸。無駄な肉の無い綺麗な体。
ブカブカなズボンは、真っ白なニッカポッカの様な膨らみをしていた。何枚かの布を繋ぎ合わせたような不思議な履物だった。

「この前の試合見たんだ。ちょっと手合わせしてよ」
白虎である。
指差したのはチュアンである。

チュアンがリングに入ると、白虎はその前に立った。
身の丈はほぼ同じ。
白虎は小さく呟いた。
「涅槃」と。

それは奇妙な光景だった。 
チュアンの前の白虎はその場にて、ほぼ動かずしてジャンプ、腰の位置がチュアンの顔の前辺りまで上がった。
そこから水平移動、白虎の脚は弧を描いた。水平の回し蹴り。
即ち涅槃。

一瞬の動きにチュアンは全く対応出来なかった。白虎の右足の先がチュアンの顎先を掠めていた。
チリリ。
掠めただけで脳を揺らした。
チュアンは、糸の切れたマリオネットの様にすとんとその場へ崩れ落ちた。

頭を床へ直撃しないように、白虎がすっと腕を伸ばしていた。

「動けるよー」
と屈託なく笑い、白虎は続けた。
「次は君だよ!」
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