新堂さんと恋の糸
「確かに…事務所で仕事はしました」
4回目の記事のことで新堂さんと打ち合わせする予定だった。新堂さんは打ち合わせがあったから、それまでの間原稿を進めておこうとパソコンを使った。
「そのとき他に誰か周りに人は?」
『あ、ポメ子さんだ。いらっしゃーい』
新堂さんと入れ替わりに玲央くんが来た。ちょうど部屋では3Dプリンターが動いていてうるさいからといって、しばらく同じデスクで隣に座っていた。
「差し替えられた写真、新堂さんは写ってるけどアシスタントの子はどれにも写ってないわ。何か意図的じゃない?」
「……どういう意味ですか?」
「そのアシスタントの子がいる前で、少しでも席を立ったりしなかった?その隙にパソコンを使われた可能性は?何ヶ月も近くで見ていたら、パスワードを盗み見ることだってできたかもしれない」
「それは違いますっ、絶対に…!」
ありえない、そんなこと。よりによって、玲央くんを疑うなんて。
私は気がついたら立ち上がっていた。
でも、テーブルを挟んで座る杳子さんはそんな私を冷静に見据えている。
「泉ちゃん。あなたが新堂さんに憧れてこの仕事についたことは知っている。でも最近は、少し入れ込み過ぎなんじゃない?」
4回目の記事のことで新堂さんと打ち合わせする予定だった。新堂さんは打ち合わせがあったから、それまでの間原稿を進めておこうとパソコンを使った。
「そのとき他に誰か周りに人は?」
『あ、ポメ子さんだ。いらっしゃーい』
新堂さんと入れ替わりに玲央くんが来た。ちょうど部屋では3Dプリンターが動いていてうるさいからといって、しばらく同じデスクで隣に座っていた。
「差し替えられた写真、新堂さんは写ってるけどアシスタントの子はどれにも写ってないわ。何か意図的じゃない?」
「……どういう意味ですか?」
「そのアシスタントの子がいる前で、少しでも席を立ったりしなかった?その隙にパソコンを使われた可能性は?何ヶ月も近くで見ていたら、パスワードを盗み見ることだってできたかもしれない」
「それは違いますっ、絶対に…!」
ありえない、そんなこと。よりによって、玲央くんを疑うなんて。
私は気がついたら立ち上がっていた。
でも、テーブルを挟んで座る杳子さんはそんな私を冷静に見据えている。
「泉ちゃん。あなたが新堂さんに憧れてこの仕事についたことは知っている。でも最近は、少し入れ込み過ぎなんじゃない?」