新堂さんと恋の糸
―――入れ込み過ぎている。
私は見透かされているような気がして俯いた。
そうなのかもしれない。通常の取材対象に対して抱く感情から、逸脱してしまった。新堂さんのことも、玲央くんのことも、普通では知り得なかったかもしれない事情も知ってしまった。
仕事に関しては公私混同していないつもりだったけど、側から見たらそんなに目に余る態度だったのだろうか。
――でも、絶対に違う。あんなふうに新堂さんを慕ってる玲央くんが、こんなことをするはずがない。
「直近のフォルダへのアクセスは泉ちゃんのID以外なかったそうよ。アシスタントの子ではないとしたら泉ちゃん自身への疑いは晴れないわ。それでもいいの?」
「……それでもいいです」
玲央くんを疑うくらいなら、自分がやったのだとした方がよっぽどましだと思った。
私の譲らない態度を見て杳子さんが溜息をつく。
そのとき、ぱんっと乾いた音が響いた。
「はいはい、ちょっと冷静になりましょ?」
私は見透かされているような気がして俯いた。
そうなのかもしれない。通常の取材対象に対して抱く感情から、逸脱してしまった。新堂さんのことも、玲央くんのことも、普通では知り得なかったかもしれない事情も知ってしまった。
仕事に関しては公私混同していないつもりだったけど、側から見たらそんなに目に余る態度だったのだろうか。
――でも、絶対に違う。あんなふうに新堂さんを慕ってる玲央くんが、こんなことをするはずがない。
「直近のフォルダへのアクセスは泉ちゃんのID以外なかったそうよ。アシスタントの子ではないとしたら泉ちゃん自身への疑いは晴れないわ。それでもいいの?」
「……それでもいいです」
玲央くんを疑うくらいなら、自分がやったのだとした方がよっぽどましだと思った。
私の譲らない態度を見て杳子さんが溜息をつく。
そのとき、ぱんっと乾いた音が響いた。
「はいはい、ちょっと冷静になりましょ?」