新堂さんと恋の糸
 それから私は、編集長に言われた通り誌面作りに没頭した。昼食も後回しにして構成を練り直していると、園田編集長が十四時半過ぎに戻ってきた。

 どういう話をしたのか、新堂さんは何と言っていたのか――気になって仕方がなかった。
 けれど、返ってきたのは「大丈夫よ」のひと言だけ。それ以上は聞けないまま、私たちはまた三人で顔を突き合わせて打ち合わせを始めた。

 「結構ガラッっと変えたのね」
 「はい、杳子さんにもアドバイスをもらって、テーマや内容もですけどレイアウトも変えました。それに沿って原稿もかなり変更して加筆しています」
 「なるほどね…この二ページ目の内容はもう少し深掘りしてほしいかな。作品の写真があるなら、少し小さくてもいいからいくつか載せたい。そうだ麻生さん、印刷所にはどこまで締め切り伸ばせるか交渉してもらえる?」
 「分かりました、電話してきます」

 作成した誌面はやはりすんなりと通ることもなく、杳子さんと編集長それぞれからの指摘で手直しの連続。
 ようやく構成と記事の内容が固まったときには、始発が動き始める頃だった。
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