二次元彼氏がいるのでリアルな恋は遠慮します
 ついにはアプリを立ち上げ、実際に画面を操作してキャラクターとのやり取りを桐島くんに見せる。

 そうして、キャラクターの頭を撫でて親密度を上げたり、育成アイテムをあげたりしていたところでハッと我に返った。

「ご、ごめん……。私ばっかり……。つい夢中になって喋っちゃった……」
「いえ、大丈夫ですよ。芳野さんの話を聞くの、楽しかったですし」
「本当に……?」
「はい。むしろ、そのキャラのどういうところが好きか聞けてよかったです。参考になります」
「参考、って……」

 そんなつもりで聞かれていたとは思わず、カァっと頬が熱くなる。
 何も言えずに俯く私に、桐島くんは覗き込むように首を傾げると、ちょっとだけ口角を上げた。

「俺も頑張れば、あなたに頭を撫でてもらえますか?」
「なっ、撫でないです……!」
「……そうですか、残念」

 しゅんと耳と尻尾をたたんで落ち込む犬のように肩を落とす桐島くんに、不覚にもどきりとしてしまう。

 ずっと、わかりづらい人だと思っていたけれど、案外感情が態度に出やすいと気付いたら、もうダメだった。

 ――なにこれ、桐島くん可愛すぎる……!

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