二次元彼氏がいるのでリアルな恋は遠慮します
 突然、爆弾を落とされて、しどろもどろになってしまう。
 今ここで私の話をされたら、間違いなく発狂して電話を切るに違いない。
 既に行き場のない気持ちを吐き出したくて、仕方がないのだから。

 私はふーっと息を吐くと、冷静に言葉を返した。

「それは、遠慮しておきます……」
「そうですか。ではまたいつか聞いてください」

 その話を聞ける日はあるのだろうか。
 聞きたいような、でも聞いたらいけないような、悶々とした気持ちでベッドに横になると、桐島くんからもう寝るかと尋ねられた。

「うん。そろそろ、明日もあるし」
「そうですね。それじゃあ、今日はこれで」

 ――おやすみなさい。

 彼の穏やかなおやすみなさい、が耳に心地よい。
 私もおやすみ、と返すと、そこで電話を切った。

 本当はまだもう少し彼の声を聞いていたような気もするけれど、これ以上はいっぱいいっぱいになりそうだ。

 ――どうしよう。

 頬が、熱い。

 ふわふわと夢見心地な気分でスマホを胸に押し当て、ぼんやりと天井を見つめる。

 まだ、彼の声が耳の奥に残っている。
 声だけじゃなく、今日の出来事ひとつひとつを丁寧に思い浮かべることができる。

「私には、蒼空くんだけなのに……」

 ぽつりと呟いて寝返りをうち、ぎゅうっと体を丸める。

 その日、私は珍しく眠るときにゲームを開かなかった。
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