二次元彼氏がいるのでリアルな恋は遠慮します
そうした理由もあって、私はクール系イケメンキャラは大好きだけれど、現実の異性となるといわゆるクール系やダウナー系に分類される男の子が苦手だ。
何を考えているかわからないし、沈黙にも耐えきれない。
特に桐島くんとはよく会社の給湯室で一緒になるけれど、「お疲れ様です」という最低限の挨拶以外に話したことがないため、私は彼のことを苦手としていた。
「もう肩の汚れはいいですよ。それより、早く降りないと」
「そ、そうだね」
慌てて周りを見渡せば、車内から人が降りていっている。
私は無言のままさっさと降りていく桐島くんの後ろを慌てて追いかけた。
「……っていうか、桐島くん。この駅、知ってるの?」
「いえ、知りませんけど」
馴染みのない駅だというのに、慌てふためくこともなくホームを歩き改札を抜ける桐島くんに、私の方が焦ってしまう。
だって、今降りてきた電車は下りの最終列車なのだ。もちろん、上りの電車は終わっている。
ここで駅の外へ出たところで、私たちには行き場がなかった。
「初めてこの駅に降りましたけど、人どころか店もほとんどないですね」
「そうだね……」
さすがは田舎の駅というべきか、駅前のロータリーには居酒屋の看板こそあれど、既にシャッターは閉まっている。
学習塾やジム、小さな商店も軒を連ねているけれど、どこも明かりが消えていた。
東京であれば昼夜問わず、むしろ夜からが本番だと言わんばかりに飲み屋や商業施設の明かりが眩いぐらいに目の奥を刺す。
雑多な人の歩みと、どこからか漂う美味しそうな匂い、かと思えば廃棄物や排水のすえた匂いが、仕事を終えて疲弊した体を容赦なくせめる。
何を考えているかわからないし、沈黙にも耐えきれない。
特に桐島くんとはよく会社の給湯室で一緒になるけれど、「お疲れ様です」という最低限の挨拶以外に話したことがないため、私は彼のことを苦手としていた。
「もう肩の汚れはいいですよ。それより、早く降りないと」
「そ、そうだね」
慌てて周りを見渡せば、車内から人が降りていっている。
私は無言のままさっさと降りていく桐島くんの後ろを慌てて追いかけた。
「……っていうか、桐島くん。この駅、知ってるの?」
「いえ、知りませんけど」
馴染みのない駅だというのに、慌てふためくこともなくホームを歩き改札を抜ける桐島くんに、私の方が焦ってしまう。
だって、今降りてきた電車は下りの最終列車なのだ。もちろん、上りの電車は終わっている。
ここで駅の外へ出たところで、私たちには行き場がなかった。
「初めてこの駅に降りましたけど、人どころか店もほとんどないですね」
「そうだね……」
さすがは田舎の駅というべきか、駅前のロータリーには居酒屋の看板こそあれど、既にシャッターは閉まっている。
学習塾やジム、小さな商店も軒を連ねているけれど、どこも明かりが消えていた。
東京であれば昼夜問わず、むしろ夜からが本番だと言わんばかりに飲み屋や商業施設の明かりが眩いぐらいに目の奥を刺す。
雑多な人の歩みと、どこからか漂う美味しそうな匂い、かと思えば廃棄物や排水のすえた匂いが、仕事を終えて疲弊した体を容赦なくせめる。