二次元彼氏がいるのでリアルな恋は遠慮します
だけと、このロータリーはどこまでも静かだった。
空気も冷たく、光の密度がない。
彼の、鼓膜を揺さぶる低い声すらも辺りに響くほど静まり返っていて、靴音を立てて歩くことすら憚られた。
それぐらい、このロータリーには夜を明かせるようなめぼしいものがなにもない。
さしあたって近くにあるのはバス乗り場とタクシー乗り場の立て看板ぐらいで、タクシーに至っては出払ってしまっているのか車通りもなかった。
「どうしよう……。ここから歩いて帰るわけにもいかないし……」
田舎の一駅は、電車で走ると五分近く間隔が空く。都内の地下鉄のように、数分で次の駅とはいかないのだ。
だから、歩くのは却下。となると、宿があれば……だけれど、生憎それらしいものも見当たらない。
さてどうしようかと頭を悩ませていると、そんな私とは裏腹に桐島くんは涼しい顔で駅舎近くにぽつんと置いてあったベンチに腰掛けた。
「芳野さんもどうぞ。立ってるの、疲れるでしょうし」
「で、でも……」
「ここで待っていれば、そのうちタクシーも戻ってきますよ。今はむやみに動かず、座っていたほうがいいと思います。芳野さん、飲み会で結構飲んでましたし」
「私、そんなにフラフラになってた?」
「はい、かなり」
後輩に心配されるほど酔っ払っていたなんて……と、数時間前の自分の行動を悔やむ。
これでよく電車に乗れたものだ。我ながら慣れって恐ろしい……と思っていると、桐島くんが私の手元を見つめていることに気付いた。
「えっと……。なに?」
「いえ、さっきからスマホの画面がチカチカと光っているので」
空気も冷たく、光の密度がない。
彼の、鼓膜を揺さぶる低い声すらも辺りに響くほど静まり返っていて、靴音を立てて歩くことすら憚られた。
それぐらい、このロータリーには夜を明かせるようなめぼしいものがなにもない。
さしあたって近くにあるのはバス乗り場とタクシー乗り場の立て看板ぐらいで、タクシーに至っては出払ってしまっているのか車通りもなかった。
「どうしよう……。ここから歩いて帰るわけにもいかないし……」
田舎の一駅は、電車で走ると五分近く間隔が空く。都内の地下鉄のように、数分で次の駅とはいかないのだ。
だから、歩くのは却下。となると、宿があれば……だけれど、生憎それらしいものも見当たらない。
さてどうしようかと頭を悩ませていると、そんな私とは裏腹に桐島くんは涼しい顔で駅舎近くにぽつんと置いてあったベンチに腰掛けた。
「芳野さんもどうぞ。立ってるの、疲れるでしょうし」
「で、でも……」
「ここで待っていれば、そのうちタクシーも戻ってきますよ。今はむやみに動かず、座っていたほうがいいと思います。芳野さん、飲み会で結構飲んでましたし」
「私、そんなにフラフラになってた?」
「はい、かなり」
後輩に心配されるほど酔っ払っていたなんて……と、数時間前の自分の行動を悔やむ。
これでよく電車に乗れたものだ。我ながら慣れって恐ろしい……と思っていると、桐島くんが私の手元を見つめていることに気付いた。
「えっと……。なに?」
「いえ、さっきからスマホの画面がチカチカと光っているので」