二次元彼氏がいるのでリアルな恋は遠慮します
 数日前、部署間でやり取りしている社内チャットに飲みのお誘いがあった。
 前回の飲み会から、まだ一ヶ月しか経っていないけれど、異動してきた人がいるとかでまた近々やろうという話になったのだ。
 必ず参加しなければならないわけでもないため自由参加ではあるけれど、なんだかんだ部署の仲もよく、参加率もいい。

 今回も参加するつもりだと伝えたら、なぜか依田さんが満面の笑みで喜んだ。

「やった〜! 必ず来てよ! いま、二人とも話題だからさ〜」
「話題……?」
「あっ、なんでもない。とにかく、楽しみにしてるからね!」

 それだけ言って、あとはよろしくと言わんばかりに颯爽と去っていく依田さんに首を傾げる。
 桐島くんの方を見たら彼も思い当たる節がないのか、さぁ? と首を傾げられた。

「楽しみにされるようなことなんてあったけ?」
「ないと思いますけど……。まぁ、あの人、いつもわけわからないことばかり言うんで」

 自分の先輩に対してわけがわからないと一刀両断する桐島くんの態度に、思わず笑ってしまう。
 桐島くんも私につられたのか、口元が緩んだ。

「………」
「なんです?」
「いや、なんでもない……」

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