二次元彼氏がいるのでリアルな恋は遠慮します
「励ましてくれないんですか?」
「ちゃんと全部の仕事を終わらせられたら褒めます……」
「そうですか、それは楽しみです」

 フッと表情を緩める桐島くんに、さっき言ったことを撤回して励ましたくなる。

 桐島くんと別れたあと自席に戻ったら、なぜか周りから一斉に謎の視線を向けられた。

「えーっと、なんでしょう……?」

 つい、誰に向かってでもなく尋ねる。
 だけど目が合った同期も後輩も、なんでもないですよと言わんばかりに私から視線を逸らした。

「……?」

 ――私、何かしたっけ……?

 居心地の悪さを覚えながらもパソコンを立ち上げて、この数時間でたまったメールを捌いていく。


 そうして私は周りから向けられている視線の意味に気付かないまま、このあと数週間後に行われる飲み会に参加したのだった。
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