二次元彼氏がいるのでリアルな恋は遠慮します
 至極淡々と打ち返す桐島くんが面白くないのか、依田さんがムッと眉間にシワを寄せる。
 すると、今度は私の方に矛先を向けた。

「芳野ちゃんは、どう思う?」
「ど、どう、とは……?」
「うちの桐島、ちょーっとクールすぎてとっつきにくいけどさ、仕事はできるし、言い方がストレートすぎてたまにグサってくるこもあるけど、言うことには間違いはないし! 面白みは……まぁ、たまに抜けてるところがあるところぐらいかな?」
「俺、いまディスられてます?」
「ディスってないない! むしろ売り込んでるとこ! で、どうだろ、芳野ちゃん。桐島、いいヤツでしょ?」
「えーっと。そう……ですね……?」
「でしょー? だからさー」

 矢継ぎ早に話しかけられて、返答に困ってしまう。曖昧に相槌を打っていると、他の人からも追撃がきた。

「てか菖蒲、二次元にしか興味ないって言ってたじゃん!」
「そうだよ。私たちと同類じゃないの!?」
「ちゃっかり、イケメン後輩くんを落とすなー!」

 やいのやいのと騒ぎたてられてしまって、私が口を挟む前に話が大きくなってしまう。
 ついには、付き合ってもいないのに付き合っていることにされてしまって、私は慌てて訂正した。

「桐島くんとは付き合ってないから! 楽しく話してるようにみえるのは……給湯室で一緒になることが多いからで……。それだって偶然だし……」
「いえ、それは狙って行ってますけど」
「ねらっ……はい?」
「ちょっ、どゆこと!?」

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