二次元彼氏がいるのでリアルな恋は遠慮します
◇
「それで本当に眠っちゃう人がいるんですね」
「ほんっとうに、ごめんなさい……!」
馴染みのない、小さな駅のロータリー。
車通りも人通りもないそこは、この前の夜をそっくりそのまま写して持ってきたみたいに静かだった。
相変わらずどの店もシャッターが閉まっていて、明かりが乏しい。
空気も都内より澄んでいるのか、小さな星がいくつも連なって輝くのが見えた。
「……ていうか、またタクシーいないね」
「みたいですね。元々、そんなに走ってないんじゃないですか?」
もはやそういうものだと受け入れているのか、桐島くんは迷いなくベンチに向かって歩き出す。
私も彼のあとを追うと、外気で冷たくなったベンチに腰を下ろした。
「…………」
「…………」
暫く無言でタクシーを待つも、一向にヘッドライトの明かりは見えない。