恋するお弁当箱
3 届かない声
翌日、咲穂はいまいち仕事に集中できずにいた。
なんど振り払っても頭に賢翔の笑顔が浮かんでしまい、消えてくれない。
お昼の時間になると、隣の席の莉子と一緒にごはんを食べた。莉子はコンビニで買って来たサンドイッチ、咲穂はお弁当だ。最近は外で食べることが多かったが、今日は雨なので自席で食べる。
ランチバッグから出した包みを開いた瞬間、背後から叫び声が響いた。
「ミャミャーの限定お弁当箱!」
振り返ると、そこにいたのは樹絵里。
「高く売れるのに使うなんて信じられない! まったく物の価値がわかってないですね!」
続いた言葉に咲穂は唖然とした。
「お弁当箱って、使うために買うものでは……」
「その弁当箱、ください。私が正しく価値を発揮させますから」
咲穂はなにを言われたのかわからず、ただ樹絵里を見る。彼女は怒りに目をつりあげ、咲穂をにらんでいる。
「つまり、高額転売するってこと?」
莉子が呆れて言うと、樹絵里は否定した。
「転売じゃないです。価値のわかる人に譲るってことです」
「転売じゃん」
莉子がすばっと突っ込むと、樹絵里はむっとしたように莉子をにらみ、それから目を咲穂に戻した。
「パッケージ、とってありますよね? お弁当箱は綺麗に洗って使用済みってわからないようにするんで」
「もうそれ詐欺じゃん」
「違います!」
莉子のつっこみに、樹絵里はさらにむっとする。咲穂は慌てて言った。
なんど振り払っても頭に賢翔の笑顔が浮かんでしまい、消えてくれない。
お昼の時間になると、隣の席の莉子と一緒にごはんを食べた。莉子はコンビニで買って来たサンドイッチ、咲穂はお弁当だ。最近は外で食べることが多かったが、今日は雨なので自席で食べる。
ランチバッグから出した包みを開いた瞬間、背後から叫び声が響いた。
「ミャミャーの限定お弁当箱!」
振り返ると、そこにいたのは樹絵里。
「高く売れるのに使うなんて信じられない! まったく物の価値がわかってないですね!」
続いた言葉に咲穂は唖然とした。
「お弁当箱って、使うために買うものでは……」
「その弁当箱、ください。私が正しく価値を発揮させますから」
咲穂はなにを言われたのかわからず、ただ樹絵里を見る。彼女は怒りに目をつりあげ、咲穂をにらんでいる。
「つまり、高額転売するってこと?」
莉子が呆れて言うと、樹絵里は否定した。
「転売じゃないです。価値のわかる人に譲るってことです」
「転売じゃん」
莉子がすばっと突っ込むと、樹絵里はむっとしたように莉子をにらみ、それから目を咲穂に戻した。
「パッケージ、とってありますよね? お弁当箱は綺麗に洗って使用済みってわからないようにするんで」
「もうそれ詐欺じゃん」
「違います!」
莉子のつっこみに、樹絵里はさらにむっとする。咲穂は慌てて言った。