恋するお弁当箱
最初の頃はためらいながらも撮影に応じたのだが、彼女の気がすむまで撮影されてなかなか食べられず、二回でこりた。
だからその次に頼まれたときに、
「写真に撮ってもらうほどのお弁当じゃないから」
と断ったら猛反論された。
「いいじゃないですかあ。お弁当くれって言ってるわけじゃないですから!」
「でも撮影は嫌なの」
「静谷さんってケチですよねえ」
そんなことを言われ、なおさら嫌になった。
これ以降はずっと断っているのに、それでも毎日写真をねだられる。お弁当を開けた瞬間に後ろで待ち構えていた彼女に写真を撮られたときにはものすごい恐怖を感じた。
それからは外に出られる日は莉子と一緒に外の公園で食べているが、樹絵里がどうしてそこまで咲穂のお弁当に執着を見せているのかはわからない。
写真をなにに使うのかと聞いたときには作るときの参考にすると答えられた。が、彼女がお弁当を作って持ってきたところは一度も見たことがない。
他の社員の持ち物に異常にめざといのもめんどくさい点だ。ブランドものとなるとその社員に「ちょうだい」とねだっていた。それがダメならと写真だけでも撮らせろと迫って来る。しつこさに負けて写真を撮らせると、さらにまた写真をねだる。写真なら物じゃないからいいという理屈で、なぜ嫌がられているのかはまったくわかっていないようだった。
仕事面でも問題がある。
派遣された当初、彼女は庶務の仕事を嫌がった。
「こんなの私の仕事じゃないのにぃ」
書類作成に文句を言われ、どんな仕事をするつもりでいたのかと聞くと、企画を立てたりプレゼンをしたり、と答えが返って来た。庶務として派遣されたのだからそれはない、というとむくれていた。
だからその次に頼まれたときに、
「写真に撮ってもらうほどのお弁当じゃないから」
と断ったら猛反論された。
「いいじゃないですかあ。お弁当くれって言ってるわけじゃないですから!」
「でも撮影は嫌なの」
「静谷さんってケチですよねえ」
そんなことを言われ、なおさら嫌になった。
これ以降はずっと断っているのに、それでも毎日写真をねだられる。お弁当を開けた瞬間に後ろで待ち構えていた彼女に写真を撮られたときにはものすごい恐怖を感じた。
それからは外に出られる日は莉子と一緒に外の公園で食べているが、樹絵里がどうしてそこまで咲穂のお弁当に執着を見せているのかはわからない。
写真をなにに使うのかと聞いたときには作るときの参考にすると答えられた。が、彼女がお弁当を作って持ってきたところは一度も見たことがない。
他の社員の持ち物に異常にめざといのもめんどくさい点だ。ブランドものとなるとその社員に「ちょうだい」とねだっていた。それがダメならと写真だけでも撮らせろと迫って来る。しつこさに負けて写真を撮らせると、さらにまた写真をねだる。写真なら物じゃないからいいという理屈で、なぜ嫌がられているのかはまったくわかっていないようだった。
仕事面でも問題がある。
派遣された当初、彼女は庶務の仕事を嫌がった。
「こんなの私の仕事じゃないのにぃ」
書類作成に文句を言われ、どんな仕事をするつもりでいたのかと聞くと、企画を立てたりプレゼンをしたり、と答えが返って来た。庶務として派遣されたのだからそれはない、というとむくれていた。