【完結】恋はあの人に、堕ちたのは君に。〜今日も意地悪な同期の腕の中で〜
でも──
(……それでも、離れたくないって思う私は、もっと…)
笑ってくれるだけで、今日もいい日だったって思える。
名前を呼ばれただけで、体温が上がる。
抱きしめられただけで、全部どうでも良くなるくらい満たされる。
あまりにも、彼の存在は、私の中で深く刻み込まれてしまった。
だけど、だからこそ……
(このまま、“曖昧な関係”のままでいるのは、もう無理かもしれない)
だったら、終わらせた方がいいのかな。
ちゃんと、距離をおけたら、
いつかこの気持ちも、静かに消えてくれるのかな……。
好きなのに。好きだから。
彼の"特別"になりたかった。でも、この"曖昧"を保っている彼に、気持ちを伝えて壊れるのも怖くて。
(本当に、バカみたい)
今の私は、ただの“都合のいい女”でしかない。
そう思うたびに、もう今は、愛しさと同じくらい、
情けなさや惨めさが、胸を締めつけてくる。
「もう、やめよう」
口にするたび、心が壊れそうになるけど。
このままじゃ、私が私じゃなくなってしまいそうで。
———だから、
この関係に、終わりを告げる。
彼のことを嫌いになれたら、どんなによかっただろう。
でも、私はきっと、あの人を好きなまま終わるんだと思う。
涙はもう、出なかった。
泣きつくしたあとに残るのは、
静かな決意だけだった。