【完結】恋はあの人に、堕ちたのは君に。〜今日も意地悪な同期の腕の中で〜

熱がまだ醒めない

黒瀬くんがシャワーを浴びているあいだ、私はソファに腰を下ろしていた。


──なんで、こんなことに。


いや、わかってる。誘ったのは私だ。


でも、酔ってた。

気持ちも揺れてた。


そう自分に言い訳しながらも、胸の鼓動はごまかせない。



もう酔いはとうに覚めているはずなのに、心臓だけはまだ早鐘のように鳴っていた。


浴室からシャワーの音が止まり、水滴の音が消えた瞬間、無意識に肩がビクッと揺れる。


そして、ほどなくして扉が開く音。


タオルで髪を乱暴に拭きながら出てきた黒瀬くん。


ラフなバスローブの隙間から見える、引き締まった体に思わず目を見張って──


「……っ」


気づけば、顔がカッと熱くなるのが自分でもわかった。


「……佐伯?」

「なに。」

「なんか、顔赤いけど。さっき酔い覚めてたよな?」

「赤くないし!」

「……目、合わせないのはなんで?」


そう言いながら、黒瀬くんが隣に腰を下ろす。


ソファが沈む感覚が、やけに現実味を持って胸をざわつかせる。
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