【完結】恋はあの人に、堕ちたのは君に。〜今日も意地悪な同期の腕の中で〜
「でも違ったんですね? 黒瀬さんだったんだ〜。」


「み、美紅ちゃん……ちょっとだけ、声、抑えて……っ」


周りを気にして焦る有紀をよそに、彼女は嬉しそうに笑う。


「でも、最近の有紀さんと黒瀬さんとのやり取りを見てたら、あ、これだ!って納得しちゃったんですよ」


「……これだ…?」


有紀が首を傾げると、美紅は、頷いて、まるで恋愛ドラマでもみているかのようにうっとりと話しだした。


「はい! あの黒瀬さんが、有紀さんにだけ送る視線…有紀さんの少し照れた表情…視線が交わされた時の絶妙な甘い空気感…」


「なっ…」


「本当に素敵です……!
これからは有紀さん×黒瀬さんを全力で推させてもらいます! あっ、もちろん、お二人のことは誰にも言わないので、安心して下さい」


キラキラと、あまりにも眩しい笑顔で言ってくる。


見られていた恥ずかしさで、有紀は頬を真っ赤にして、思わずコーヒーに目を落とした。



「そ れ で、なんですけど〜」



美紅ちゃんがニヤリと笑う。



「実際のところ、彼氏の黒瀬さんって、どんな感じですか?」


「……!?」


「絶対彼女に甘いタイプですよね?仕事ぶりはスマートで隙のない感じなのに、家ではめちゃくちゃ甘々彼氏になってそう。
あっ、あくまでこれも、私の勝手な妄想です」


「えっ、えっと…」



言葉に詰まる。


そう、まさに、その通りなのだ。
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