【完結】恋はあの人に、堕ちたのは君に。〜今日も意地悪な同期の腕の中で〜
* * *



———今日の朝。


有紀がスマホのアラーム音でふと目を開けると、黒瀬の腕の中にいた。


背後から抱きしめられ、あたたかい体温が背中に密着する。


(もうそろそろ起きようかな…)


出勤まで余裕のある時間。



その間に軽くシャワーを浴びて、ゆっくり朝食も取りたい――



そう思いながら身体を起こそうとすると、


「もう起きんの?」



低く、少し掠れた声が耳元にかかり、ぎゅっと抱きしめられる。


「えっ、ちょっ……」


「まだ時間早ぇんだから、寝てればいいのに」


「そうなんだけど……シャワー浴びたいし…それに朝ごはんゆっくり食べたいから」


「ふーん……」



理由を言っても、黒瀬の腕の力は緩むどころか、ますます強くなる。


「ちょっと……黒瀬くん」


そう言えば、子どもみたいに頬をすり寄せてくる。


まるで甘えてくるみたいな仕草に、有紀の胸はくすぐったくなった。


「もぉ……」


思わず小さくため息をこぼした瞬間――
首筋に顔を擦り寄せられ、その唇がそっと触れた。


「……っ、」


 ちゅ…っと、吸い上げられると共に、黒瀬の手がゆっくりと上へ滑っていく――お腹をなぞり、自然に胸の方へ。



「……あっ…ちょっと…」



言葉では否定する有紀をよそに、黒瀬の指の動きは止まらない。


指先が、突起に触れ撫でられた瞬間、


「ぁ……ん…黒瀬く………っ」


思わず吐息が漏れたその反応に黒瀬がフッと笑う。


「ねぇ…有紀。……したい」


「えっ!?き、昨日も………」


「駄目?」


「…っ」



これから出勤なのに、シャワーも朝食も――


頭ではそう考えていても、身体は自然に反応してしまう。



昨日の夜も散々重なったはずなのに、黒瀬に抱きしめられると、胸の奥から熱がじわじわと広がる。
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