恋はあの人に、堕ちたのは君に。〜今日も意地悪な同期の腕の中で〜

触れられるたび、堕ちていく。

背中が柔らかく沈み、優しく押し付けられる。


耳元にかかる吐息で、心臓が跳ねた。

 
「……緊張してる?」

 
掠れるような声。
有紀は顔をそむけるようにして、震える声で返す。

 
「……ばか。聞かないで」

 
その言葉に、黒瀬がそっと微笑んだのが気配で分かる。
そして、また唇がふわりと重なった。

 
ホテルの静かな部屋。
閉ざされた空間の中で、ふたりの距離は、どこまでも近づいていく。

 
荒々しさを秘めたキス。
でもその中に、優しさがにじんでいて──
有紀の心も身体も、じわじわと引き寄せられていった。

 
「……ん、っ……」

 
唇が離れたあとも、呼吸は浅く、肩が小さく上下する。

 

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