恋はあの人に、堕ちたのは君に。〜今日も意地悪な同期の腕の中で〜
ベッドサイドの照明が、落ち着いたオレンジ色の光を灯し、
黒瀬の瞳を、鈍く照らす。

 
その光の中で見える表情と身体つきが、妙に色気を帯びていて。
視線を合わせただけで、鼓動が跳ねた。

 
「……声、我慢すんなよ。有紀の反応、ちゃんと聞かせて」

 
口元にわずかに笑みを浮かべ、低く囁く声が耳をくすぐる。

 
「っ、ん……や、あ……」

「ここ、触られるの好きなんだ?」


悔しいくらいに見透かされて、言い返そうとしても言葉がうまく出てこない。

自然と漏れてしまう声に、黒瀬の目が細められる。
指が太ももをなぞる。


でも、触れてほしい場所にはなかなか届かない。

 
焦らされていることに気づき、思わず睨みつける。

 
「……ねぇ、やだ、そんな触り方……ずるい……」

 
「どんなのがいい? 教えてよ」

 
甘く低い声で、わざと意地悪に問うくせに、
その指先は驚くほど丁寧で、壊さないように優しく撫で続ける。

 
「……いじわる」

 
ぽつりとこぼれた声に、黒瀬が小さく笑い、唇を重ねてくる。
今度は深く、ゆっくりと、心をほぐすようなキスだった。

 
「……はぁっ……くろせ、くん……」

 
「なに?」

 
「……ん、もっと、さわって……」

 
おあずけにされたままの感覚が堪えきれず、声が漏れる。
視線を逸らし、震えるまつげを伏せながら、素直に求めてしまう。

 
「……りょーかい」

 
返事のすぐあと、敏感な場所に黒瀬の指が触れる。
ぬめった音が静かな部屋に響き、有紀は恥ずかしさに息を呑んだ。

 
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