恋はあの人に、堕ちたのは君に。〜今日も意地悪な同期の腕の中で〜
*
昼休憩が終わり、午後の会議資料を探しに資料室に立ち寄った。
誰もいない静かな空間。紙の擦れる音だけが耳に心地よく響く。
ファイルを抱えてしゃがんだ瞬間、扉の開く音がした。
「佐伯」
振り向くと、そこにいたのは黒瀬くんだった。
「……黒瀬くん?」
咄嗟に立ち上がった拍子に、ファイルを一冊落としてしまう。
「あ、ごめ──」
「ほら、動揺しすぎ」
軽く笑いながら近づいてファイルを拾ってくれる黒瀬くん。
「そんなバタバタしてたら、すぐバレんぞ?」
「……な、なにがっ」
「“俺と何かあった感”、隠すの下手すぎ。バレバレ」
「~~っ!」
彼の目が、いたずらっぽく光る。
「首元は、ちゃんと隠してんのな」
「っ……気にしてたんだ」
「まぁな。バレたら面倒くさそうだし」
「……面倒って、それ、つけたの黒瀬くんでしょ……」
「たしかに」
あくまで軽く、余裕たっぷりに言ってくるけど──
そのやりとり一つひとつが、じわじわと胸に刺さる。
(ずるい……。何も変わらないふりをするくせに、こうやって、私だけ……)
昼休憩が終わり、午後の会議資料を探しに資料室に立ち寄った。
誰もいない静かな空間。紙の擦れる音だけが耳に心地よく響く。
ファイルを抱えてしゃがんだ瞬間、扉の開く音がした。
「佐伯」
振り向くと、そこにいたのは黒瀬くんだった。
「……黒瀬くん?」
咄嗟に立ち上がった拍子に、ファイルを一冊落としてしまう。
「あ、ごめ──」
「ほら、動揺しすぎ」
軽く笑いながら近づいてファイルを拾ってくれる黒瀬くん。
「そんなバタバタしてたら、すぐバレんぞ?」
「……な、なにがっ」
「“俺と何かあった感”、隠すの下手すぎ。バレバレ」
「~~っ!」
彼の目が、いたずらっぽく光る。
「首元は、ちゃんと隠してんのな」
「っ……気にしてたんだ」
「まぁな。バレたら面倒くさそうだし」
「……面倒って、それ、つけたの黒瀬くんでしょ……」
「たしかに」
あくまで軽く、余裕たっぷりに言ってくるけど──
そのやりとり一つひとつが、じわじわと胸に刺さる。
(ずるい……。何も変わらないふりをするくせに、こうやって、私だけ……)