【完結】恋はあの人に、堕ちたのは君に。〜今日も意地悪な同期の腕の中で〜
その唇が、鎖骨にそっと落ちる。
ひんやりした肌に、熱い吐息が触れて──
柔らかく、湿ったキスが降りた。
「……っ」
肩がふるりと揺れる。
思わず、吐息に甘い音が混じってしまう。
胸元から、肩先、肘の内側、脇腹──
まるで、わたしの輪郭をなぞるように、愛おしそうにキスを重ねていく。
(……こんなふうに、触れられたら…)
「……ん、っ……くろせ、くん……」
漏れた声が自分のものだと気づいたときには、もう彼の指先が下着のすぐ近くにあった。
触れるか触れないかの距離を楽しむように、じらすように、指先が這う。
息が乱れて、思わずベッドのシーツをぎゅっと掴む。
(お願い、触れて……でも……)
矛盾した感情がせめぎ合う。
触れられるたび、名前のないこの関係に、名前をつけてくれることを期待してしまう。
「……有紀」
不意に名前を呼ばれた瞬間、すべての思考が止まる。
その声が、あまりに優しくて、深くて、
思わず、涙がこぼれそうになった。
彼の手がわたしの頬に触れて、指先でそっと撫でた。
*
「ーーーっ」
彼がゆっくりと奥へ入ってくる。
全身が熱に包まれて、呼吸が浅くなる。
「……あっ、ん……」
甘い声が、勝手に喉の奥から漏れていく。
重なる肌、包み込む腕、沈み込むベッド。
彼の体温が、全身にじんわりと染み込んでいく。
触れられるたび、心が焼かれていくみたいだった。
(……もう逃げられない)
ちがう。
(逃げたくない、なんて思ってしまってる)
本当は、もうとっくに堕ちてる。
それでもまだ、彼は何も言わない。
ただ、触れて、溶かして、飲み込んでいく。
(……わたしばっかり、期待してる)
でも、そんな感情すらも彼の手がそっと撫でて、
抱きしめる腕がわたしの奥の奥まで満たしていく。
(……いまだけは、彼のものでいたい)
普段は、軽口ばかりなのに、
今は何も言わずに、ただ優しく触れてくれるその人を、
どうしようもなく愛おしいと思ってしまった。
———すべてが、満たされた後、彼の胸に抱き寄せられて、わたしは、そっと目を閉じた。
ひんやりした肌に、熱い吐息が触れて──
柔らかく、湿ったキスが降りた。
「……っ」
肩がふるりと揺れる。
思わず、吐息に甘い音が混じってしまう。
胸元から、肩先、肘の内側、脇腹──
まるで、わたしの輪郭をなぞるように、愛おしそうにキスを重ねていく。
(……こんなふうに、触れられたら…)
「……ん、っ……くろせ、くん……」
漏れた声が自分のものだと気づいたときには、もう彼の指先が下着のすぐ近くにあった。
触れるか触れないかの距離を楽しむように、じらすように、指先が這う。
息が乱れて、思わずベッドのシーツをぎゅっと掴む。
(お願い、触れて……でも……)
矛盾した感情がせめぎ合う。
触れられるたび、名前のないこの関係に、名前をつけてくれることを期待してしまう。
「……有紀」
不意に名前を呼ばれた瞬間、すべての思考が止まる。
その声が、あまりに優しくて、深くて、
思わず、涙がこぼれそうになった。
彼の手がわたしの頬に触れて、指先でそっと撫でた。
*
「ーーーっ」
彼がゆっくりと奥へ入ってくる。
全身が熱に包まれて、呼吸が浅くなる。
「……あっ、ん……」
甘い声が、勝手に喉の奥から漏れていく。
重なる肌、包み込む腕、沈み込むベッド。
彼の体温が、全身にじんわりと染み込んでいく。
触れられるたび、心が焼かれていくみたいだった。
(……もう逃げられない)
ちがう。
(逃げたくない、なんて思ってしまってる)
本当は、もうとっくに堕ちてる。
それでもまだ、彼は何も言わない。
ただ、触れて、溶かして、飲み込んでいく。
(……わたしばっかり、期待してる)
でも、そんな感情すらも彼の手がそっと撫でて、
抱きしめる腕がわたしの奥の奥まで満たしていく。
(……いまだけは、彼のものでいたい)
普段は、軽口ばかりなのに、
今は何も言わずに、ただ優しく触れてくれるその人を、
どうしようもなく愛おしいと思ってしまった。
———すべてが、満たされた後、彼の胸に抱き寄せられて、わたしは、そっと目を閉じた。