【完結】恋はあの人に、堕ちたのは君に。〜今日も意地悪な同期の腕の中で〜
シャワーの温かな雫がふたりの肩をすべって流れていく。



そのなかで、背中に感じる黒瀬の体温と、吐息だけが、やけにリアルだった。



首筋にふっと息がかかる。



「──え……」


思わずこぼれた声。


やわらかな唇がそっと触れる。



「ここ、好き」



耳元で囁くその声が、胸の奥まで響いた。


手が震え、目を閉じる。


湯気に包まれて、ただその熱を感じていた。


黒瀬の腕が、腰に添えられたかと思えば、
ゆっくりと前へ──お腹にまわってきた。


そのままぎゅっと抱きしめられて、逃げ場がなくなる。


「俺さ、有紀の全部、ちゃんと見たいんだけど」


「……さっき、あんまり見ないでってゆったじゃん…」


頬を染めて返すと、背後でふっと笑いがこぼれた。


「でも、ぜんぶ、欲しい。」




黒瀬の髪先から、ぽたりと雫が落ちた。


それが肩に触れて、有紀ははっと息をのむ。


湯気とともに降るその水音さえ、どこか甘く感じられる。



そして、首筋にもう一度、そっとキスが落ちた。








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