ハニートラップ

phase:39 邂逅


淡々と平和な日を過ごしていたら、気付けば夏休みが目の前まで迫っていた。

俊平とは、またなんとなく元の幼馴染になった。

それから、千歳ちゃんとは距離が縮まって、一緒に行動するようになった。


――高峰くんは、ずっと学校に来ていない。

最初こそ気になって、何度も連絡してみようかとスマホの中の高峰くんの名前をなぞった。

でも、我慢した。

そのうち、だんだんとスマホを眺める頻度も減る。


隣のクラスにさえ行かなきゃ、教室の隅にポツンと佇む空席を見てしまうこともない。

学校にも帰り道にも散らばる、高峰くんとの思い出にまだ心は囚われたまま。
並んで歩いた廊下を、道路を、足早に通り抜けていく。

――そうやって、高峰くんのいない毎日をちょっとずつ日常にしていった。

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