ハニートラップ
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久々に家に帰るはずだったのに、結局その気も失せた。
直後、杏奈に呼び出されて、苛々しながらアパートに向かう。
部屋に入ると、杏奈が不機嫌そうに俺を睨んだ。
「遅い!何やってたの?
すぐ来てって言ったじゃん!」
ヒステリックなキンキン声が煩わしい。
早く事を済ませたくて、上がり込むなり杏奈を押してベッドに倒す。
殺気立ってる俺を見上げて面食らったのは一瞬で、すぐに唇が笑みを浮かべた。
「……何?今日は積極的じゃない?
いつも言わないと何もやらないくせに。」
「…………。」
安い挑発はただのノイズ。
黙らせるようにその上に乗り上げると、杏奈は満足そうに腕を伸ばしてきた。
「――今日はさ、キスしよ?久哉。」
するりと這うような手が俺の後頭部に回る。
それに合わせて杏奈が上体を起こして、俺に顔を近づけてきた。
――熱っぽい吐息が唇にかかって、気持ち悪い。
「きゃっ!」
反射で強く杏奈の肩を押してベッドに沈める。
嫌悪感に思い切り眉を寄せ、俺はベッドから退いた。