ハニートラップ

phase:25 囲う


数日後の昼休み、空き教室。
嵐は一瞬で過ぎ去って、空の色はいつのまにか秋の淡さに変わっていた。

いつもの窓際に、高峰くんと2人で並ぶ。
肩が触れそうで触れない距離と、埃の匂い。

緩く繋がって体温が馴染み合う手が、あの日を境に新しいいつもになった。

「珠桜は、次の授業何?」

「数学。」

「ダル。……サボる?」

「……それはダメ。」

高峰くんが上機嫌にくしゃりと笑って、金色の髪がしなやかに揺れる。

あまりに自然に顔を近づけて、私に優しくキスを落とす。


胸がキュンと狭くなる感覚に、溶けそうになる時間。


――高峰くんが、甘すぎる。
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