ハニートラップ
phase:27 曖昧
冬休み前のテスト期間。
私は昼休みが始まるとすぐ、高峰くんのいる空き教室に逃げ込む様になっていた。
ミナとマキとは気まずいまま。
何もしなかったらどんどん距離が離れて、その内お互い気にもしないみたくなっていった。
――悪いのは私。
仲直りしたら“高峰久哉はやめとけ”って言われるのがわかるから、切った。
2人並んで座り込む窓下は、冷たい空気が沈澱して冷え込んでいる。
もともと古い校舎だ。暖房の効きもあんまりよくない。
「あっためて、珠桜。」
寒さを理由にして、高峰くんが緩く私を抱き寄せる。
低めの体温に混じって香る、高峰くんの匂いに満たされる。
肩口にそっと頬を擦り寄せた。
(……何を言われたって、もうやめられないの。)
アイスを半分こしたあの日から、私の心は高峰くんに捕まっている。