ハニートラップ
――side.高峰久哉
夜、冷たいシーツの上で俺は珠桜との何気ない会話を思い出していた。
『ごめんね、高峰くん。』
――かけた労力に対して、初めて謝られた。
女なんて、男が会いに来るのが当然で、
頼んでる側のクセして不躾に来いと言う奴ばっかだったのに。
胸に一滴何かが落ちた様な言い表し難い気持ちを、緩く首を振って取り払う。
伏せた目を上げる頃には、もう珠桜を離さないことばかり考えている。
(あれは何も狙ってなかったけど……。
まぁ、結果的にプラスになったか?)
申し訳なさそうなのに、どこか嬉しそうだった珠桜の顔を頭に浮かべて思うのは、打算。
繋ぎ止めておかないと、どうしても不安になるから。