エリート弁護士は秘密の双子ごと、妻を寵愛する
 ――今までずっと、意地を張ってきた。
 世界で一番大切な人だったから。
 嫌われるのが怖くて、話し合えば簡単に解決するようなことだったのに、向き合わずに逃げた。

「大門寺さんは、何も悪くありません……!」

 私は瞳から大粒の涙を流し、彼に告げた。

「全部、私の勘違いだったんです……!」

 何度も言葉を詰まらせながら言葉を紡ぐだけでも、胸が張り裂けそうなほどに鈍い痛みが続いて、何度も声を発するのを止めたいと考えた。
 それでも私は、その不快感に屈するわけにはいかなかった。

 だって、彼を傷つけたのはほかでもない。
 自分自身なのだから……。

「今日……っ。初めて三千院さんと、お会いしました」
「あいつと……?」
「はい。職場に、いらっしゃって……。すでに許嫁は解消されていると、聞いています……」

 きちんと向き合って、今まで伝えられなかった想いを打ち明けたい。
 そう思ったからこそ、彼女と言葉を交わした際の話をした。
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