エリート弁護士は秘密の双子ごと、妻を寵愛する
「今さら謝ったって、どうにかなる問題ではないだろう。君は叔母の手を借り、立派に子ども達を育て上げているのだから」
「そんなこと……!」

 私は慌てて、身を引こうとする彼の言葉を否定した。
 諸悪の根源は大門寺さんではなく、自分だと自覚していたからだ。

「私は1人じゃ、何もできませんでした。店長さんと誠くんが手を貸してくれたから、あの子達を育てられたんです」
「今さら父親だと名乗り出たところで、子ども達だって簡単に受け入れてなどもらえない。それはよく、わかっている」

 彼は首を左右に振ると、こちらをじっと見つめる。
 その瞳の奥には、確かな決意が宿っていた。

「もっと早くに君を探そうとしなかった僕の罪として、素直に受け入れるつもりだ。だから……」

 疑う余地などない。
 視線を合わせただけでも、その思いに嘘偽りがないと言うのはすぐに理解できた。

「もしも、視界に入れたくない程に僕を憎悪しているわけではないのなら、責任を取らせてほしい」

 彼がうちに秘めた想いを吐露するのを聞き、大門寺さんの気持ちが別れる前と変わっていないと確信する。
< 103 / 162 >

この作品をシェア

pagetop