エリート弁護士は秘密の双子ごと、妻を寵愛する
「ほんとに、おじさん……?」
「つかさ! 何やってるの!? 行くよ!」
「りょうか……。で、でも……」
「もうっ。手のかかる、お兄ちゃんなんだから!」

 司が大門寺さんに疑いの眼差しを向けていた時はどうしようかと思ったが、すぐにしっかりものの妹が兄の異変に気づき、強引に手を引いて外へ連れ出した。

「覚悟ができたら、会いに来てくれ。君なら、アポ無しでも大歓迎だ」
「ケーキのおじさん! ばいばーい!」
「ばいばい……」
「ありがとう、ございました……」

 私達は三者三様の反応を見せ、弁護士事務所をあとにした。

 ――子ども達が大門寺さんの血を引いていることに、あの人はまだ気がついていないみたいだ。
 しかし、その事実が露呈するのも時間の問題だろう。
 私が養育費請求をしたい相手は、先程まで目の前にいた彼なのだから。

「困ったなぁ……」

 子ども達と手を繋ぎ、ポツリと呟く。
 そんなこちらの憂鬱な気持ちとは裏腹に、涼花は嬉しそうにこちらへ問いかけてきた。
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