エリート弁護士は秘密の双子ごと、妻を寵愛する
「すみません。大門寺さん……。布団、敷かせてしまって……」
「いや。このくらい、どうってことないさ」
「りょうかも手伝ったの!」
「凄いね。ありがとう」
「どーいたしまして! パパとママの間に挟まるのは、りょうかでいい?」
「もちろん」
「やったー!」

 涼花は入口近くに大門寺さんを寝そべらせたあと、ころんと寝転がる。

「ママとつかさは、こっち!」
「うん」

 私は娘の指示を受け、息子と一緒にその隣に横たわった。
 司はここに移動してから、ずっと無言だ。
 大丈夫だろうか不安になりながらも、涼花と寝る前の挨拶を交わした。

「お休み!」
「ええ。おやすみなさい」

 何かと騒がしい少女は、それから数秒後には夢の国へ旅立つ。
 私は司の背中を撫でながら息子が眠るのを待つが、やはり知らない男の人がいると緊張してしまうのか。
 いつまで経っても、胸元を掴む指先から力が抜けなかった。

「まだ、起きてる……?」
「どうしたの?」
「ママは、まことくんより……パパが、好き……?」

 この返答にどう答えるかは、すごく迷った。
 誠くんが大好きな司に事実を突きつけてしまったら、傷つけてしまうのではないかと恐れていたから。
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