エリート弁護士は秘密の双子ごと、妻を寵愛する
「うん。司が大門寺さんをパパだって認めてくれたら、ここを出て行く。それまでは、今まで通りだよ」
「じゃあ、ぼく……。おじさんのこと、ずっとパパだって認めないもん……」

 司は瞳を潤ませてそう呟いたきり、何も言わなくなってしまった。
 どうやら泣き疲れて、ようやく眠ったようだ。

「かなり、手強そうだな」
「本当に、すみません…………」
「いや。澄花が責任を感じる必要はない。双子にいい父親だと認められるように、最善を尽くそう」

 親子の会話を聞いていた大門寺さんはご機嫌な様子でそう語ると、どうやら寝ることにしたらしい。
 やがて、声は聞こえなくなった。

 ――子ども達と一緒に、彼とこうして横になれるなんて夢のようだ。

 このひとときが、生涯続きますように。
 私はそう願いながら、ゆっくりと目を閉じた。
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