エリート弁護士は秘密の双子ごと、妻を寵愛する
 毎日そばで暮らすのが当たり前になっている以上、年間数度では満足できないと言われるのは当然だった。

 ――うまく伝わるかは、わからないけど……。

 もっと頑張らなければと覚悟を決め、優しく諭す。

「隣にいるのが当たり前だった人と別れるのって、凄くつらいよね。涼花は大門寺さんに懐いているし、自分の味方は誰もいないって、意気地になる気持ちもわかるよ」
「じゃあ……」
「嫌がる司を無理やり、誠くんから引き剥がすことだけは、しないって約束する」
「本当……?」

 息子は不安そうに問いかけてくるが、ここで「やっぱりなし」なんて言えるわけがない。
 私は司を安心させるように、大袈裟に頷いた。
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