エリート弁護士は秘密の双子ごと、妻を寵愛する
 何があってもいいようにと警戒してリビングの床に横たわらせていた双子を抱き上げ、自室に戻る。
 純司さんがテキパキと床に布団を敷いてくれたおかげで、スムーズに子ども達を再び寝かせることができた。

 先程までの大騒動が何もなかったかのように、気持ちよさそうに眠る2人の姿を目にして、ようやく危機が去ったとほっとひと息つく。

 それと同時に、自分だけが何も言い返せなかったと自己嫌悪に陥ってしまう。

「私はみなさんに、迷惑をかけてばかりですね……」
「何を言っている。あの男の襲撃は、大門寺家の問題だ。澄花のせいではない」
「でも……」
「澄花」

 夫は私の名前を呼んだあと、抱きしめてくれる。
 普段であれば、子ども達の前で恥ずかしいと顔を真っ赤にして、距離を取ろうとしていた。
 でも、今日の自分は思いもよらぬ騒動を経験し、冷静ではいられない状態にあったからか。
 純司さんの身体から伝わる暖かなぬくもりを感じた直後、自然と瞳に涙が浮かぶ。
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