エリート弁護士は秘密の双子ごと、妻を寵愛する
 私は気分が上向きになるのを実感しながら、明るい声音で告げた。

「お義父様がいらっしゃったおかげで、司も純司さんのことを頼りがいのある父親だと思ってくださったようです。悪いことばかりでは、ありません」
「終わりよければ、すべてよし……か。成長したな」
「そうですか?」
「ああ。出会った頃の君なら、まず出て来ない言葉だった」

 引っ込み思案で、他者とかかわるのが強くて、自己主張をしてこなかった。
 そんな自分の変化を満足そうに見つめた彼の姿を目にして、欲が出てしまう。
 今なら、ずっと問いかけられなかったことを聞けるのではないかと……。

「少しは純司さんと釣り合う妻に、なれたでしょうか……」
「そんなの、気にするまでもない」

 純司さんは私の唇を奪うと、してやったりな様子で微笑みを深めた。

「今も昔も。僕に相応しき女性は、澄花だけだ」
「純司さん……」

 気持ちが盛り上がった夫婦は、互いしか見えていなかった。
 彼は勢いよく敷布団の上に横たえた私の身体に覆い被さり、激しい口づけを交わす。
 喉からは押し殺した甘い声が漏れ出るが、それすらも2人の情熱を燃え上がらせるスパイスにしかならない。

 こうして私達は、時間が許す限り愛を確かめ合った。
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