エリート弁護士は秘密の双子ごと、妻を寵愛する
「ねぇ、ママ! 見て! りょうかとつかさが、1番と2番!」
「よかったね」
「うん!」

 無事にケーキ屋の整理券を取得し、双子は希望の職業を体験するために一度別れる。

「裁判所へ、ようこそ! 体験希望ですか?」

 元気いっぱいな涼花は純司さんに任せ、私は司を希望の体験施設へ連れていく。
 感心したのは、スタッフが親ではなく子どもの意思を聞くことだ。

「ママ……」
「大丈夫。お姉さんは、怖くないよ?」

 人見知りの司は店員さんに怯え、私の背中に隠れる。
 無理やり引き摺り出しては、トラウマを植えつけてしまう。
 そう危惧し、強引に意思表示を引き出そうと試みる。

「パパと同じ職業、やってみたかったんだもんね?」
「うん……」
「お父さんも、弁護士さんなんですね!」
「ぼ、くの、パパ……。とってもかっこいいんだ……!」
「憧れのお父さんみたいになれるよう、精一杯サポートします!」

 純司さんの話題をきっかけにお姉さんと交流を深めた息子は、裁判所を催した体験施設の中へ消えて行った。
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