エリート弁護士は秘密の双子ごと、妻を寵愛する
「澄花」
「純司さん? 涼花は……」
「花嫁体験に押し込んできた。着替えに準備がかかるようで、20分ほど時間が空いたんだ」
「そうでしたか。司は、これから弁護士さん体験です」

 純司さんは腕時計で時間を確認したあと、施設内に建設された簡易の裁判所を見渡す。

「よくできているな……」
「そんなに、精巧なんですか?」
「ああ。寸分の狂いもない」
「司にとっても、貴重な体験ですね……」

 私達は弁護士の衣装に着替え、引っ込み思案ながらも一生懸命職業体験を続ける司を見守った。

「パパ! ぼく、どうだった……?」
「とっても、素敵だったぞ」
「うん……!」

 まさか1人で頑張っている姿を、純司さんが見てくれるなど思いもしなかったのだろう。
 無事に体験を終えた司は、私達にはにかんだ笑顔を見せたあと、彼と手を繋いで次の施設を目指す。
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