エリート弁護士は秘密の双子ごと、妻を寵愛する
「こ、これ……!」
「それは……?」
「ポ、ポストに……っ。手紙が投函されるようになって……」
「見てもいいか」
「お、願い……します……」

 私は透明な袋に纏めて入れてあった手紙の束を彼に差し出す。
 弁護士さんは念の為手袋を嵌めて、内容を1枚づつ確認してくれた。

「これは、立派な証拠になる」
「本当ですか!?」
「ああ。警察には?」
「見せたのですが、民事不介入だと言われてしまって……」
「ふむ……。痴情の縺れと、勘違いされた可能性が高いな……」
「ち、じょ……?」

 私は彼の発言を耳にして、なんて酷いことを言うんだろうと不愉快な気持ちでいっぱいになる。

『ちょっと発育がいいからって、調子に乗らないでよね!』

 学生時代から、異性に色目を使うなと同性に嫌われてきた。
 私は自分の意思で、胸元を成長させたわけじゃないのに。

『その身体つきじゃ、仕方ないんじゃない?』

 被害を相談した警察官にまで、ニヤニヤと口元を歪めて下世話な視線を向けられてしまった。
 私が頼れるのは、弁護士さんしかいないのに……。

 ――この人も、そうなんだ。
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