エリート弁護士は秘密の双子ごと、妻を寵愛する
「ご、ごめんなさい……!」
「わかればいい」

 彼は肩の力を抜く。
 もしかすると、呆れているのかもしれない。
 その後、どこか困ったようにポツリと呟く。

「君はどうやら、思い込みの激しい性格をしているようだな」
「そ、そんな……! 変質者の話も、嘘だって言うんですか……!?」
「早とちりしないでくれ。そうした態度が、周りに誤解を生むと考察しただけだ」
「やっぱり、私のせいなんですね……」

 明るくて快活で、誰にでも分け隔てなく接せるコミュニケーション能力抜群な女の子になれたら、こんな思いはしなくて済んだのだろう。

「嫌なことをされた時、面と向かって文句を言えないから……」

 ――変わらなくちゃ。
 もっともっと、頑張らないと。
 そう思って必死に努力を続けているつもりなのに、周りからはそう思われない。
 それが何よりも、苦しかった。

「自分を責めたって、すでに起きた出来事は変えられないぞ」
「だったら、どうすればいいんですか……!?」

 私は声を荒らげ、涙目で彼を睨みつける。
 こんなの八つ当たりだって、自分でもよくわかっていた。
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