エリート弁護士は秘密の双子ごと、妻を寵愛する
「初めて会った時に比べれば、明るくなってるようだが……。僕は心配だ。金銭的な面でも、負担を最小限に留めるのなら……」
「大門寺さんと一緒に相談しても、及び腰だったんですよ? 警察なんて、当てになりません!」

 ついかっとなって憤慨した様子を見せると、「声が大きい」と促すように大きな手で唇を塞がれてしまう。
 私はしょんぼりと眉を伏せ、気持ちを落ち着ける。

 金銭的な負担を最小限に押さえたいと事前に相談していたからか。
 大門寺さんはかなり早い段階で、警察へ同行してくれた。
 しかし、彼らは私が1人で被害を報告した時と同じように迷惑そうな反応をするばかり。

『もう、いいです! あなた達には、頼りません!』

 彼は被害届を受理して貰おうと手を尽くしてくれたけれど、押し問答を続けているのが面倒になってしまい――。
 弁護士さんの手を取って警察署をあとにしたのは、記憶に新しい。
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