エリート弁護士は秘密の双子ごと、妻を寵愛する
 警察官が国民を守る正義の味方と言う幻想は、私の中では見るも無惨な姿になっていた。

「犯人を刺激したら、君の身が危ない」
「ふぐぐ……」
「落ち着いてくれ。頼む」

 大門寺さんに懇願され、渋々こくんと頷く。
 こちらの姿を目にした彼は、ゆっくりと口を塞いでいた手を離してくれた。

「君は時折、危なっかしい行動をする。心配だ……」
「悲劇を未然に防ぐために、大門寺さんが協力してくださっているんですよね? 私はそれを、無駄になどしたくありません!」
「ああ。その調子で、頼む」

 彼はどこか困ったように、苦笑いを浮かべる。
 そんな姿にすらもときめいて顔が赤くなりそうになるのをぐっと堪え、必死に平常心を保ち続けて帰路についたのだった。
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