エリート弁護士は秘密の双子ごと、妻を寵愛する
 ――6年前、彼が働いていた弁護士事務所は別の場所だった。

 彼に会いたくないから、あえて最近できたばかりで評判のいいところへやってきたのに……!
 大門寺さんを避けたつもりが、ピンポイントで出会ってしまった。
 これでは、なんの意味もない。

「あ、あの……。ここに在籍していらっしゃる弁護士さんは、大門寺さんだけですか……?」
「ああ。何か問題でも?」
「そう、ですか……」

 私は公式HPの隅々まで、きちんとよく確認してから子ども達を連れて相談しにくるべきだったと後悔しながら、暗い顔で俯く。

 ――ここからどんな顔をして素直に相談内容を伝えればいいのかなど、さっぱりわからなかった。

「どうしたの?」
「ママ、悲しんでる……」
「お家、帰る?」
「うん。そうしよう……」

 先程まで喧嘩をしていた子ども達はこちらの表情を見かねて、コソコソと内緒話をしたあと結論を出す。
 そして、ソファーから小さな手足を使って降りようとした。

「ちょっと待った」
「おじさん……?」
「どうして、止めるの?」

 大門寺さんから呼び止められた双子は、不思議そうに動きを止めた。
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