エリート弁護士は秘密の双子ごと、妻を寵愛する
「君の要望通りに事を運ぶには、父親による認知の手続きが必要だ」
「この子達の父親だと、認めさせなければいけないんですか……?」
「そうだ。法律上の親子関係が認められて、初めて養育費の支払い義務が生じる」
「その手続きにも、お金がかかりますよね……?」
「ああ。ざっと見積もっても、20万程度だ」

 そのくらいならなんとか支払えそうだと安堵すれば、必要な経費はこれだけではないと彼は語る。

「養育費調停を起こすには、元手が必要だ。着手金60万、成功報酬60万。諸経費は紹介料代わりにこちらで負担したとしても、生活に困窮した女性がポンと出せる金額ではないぞ」
「そのくらいの金額なら、なんとか用意できます……」
「君は昔から、今しか見ていないな……」

 私が大門寺さんと初めて出会ったのは、ストーカー被害の相談だった。
 その際にも大金がかかると説明を受けていたため、着手金の金額は了承済みだ。
 無事に手続きが済めば、ある程度は手にした養育費で賄えるのだから……。
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