エリート弁護士は秘密の双子ごと、妻を寵愛する
 餌づけに成功している涼花からの反応はかなりいいが、司はどうにもこちらに強い警戒心をいだいているらしい。
 彼は誠の腕に纏わりつき、トボトボと暗い表情でこの場をあとにした。

 ――やることは、山積みだ。

 もっと早くに行動すればと、後悔したところで失った時間は元には戻らない。
 だからこそ――。
 善は急げとばかりに、元許嫁へ電話をかける。

『もしもし? 純司? どうしたの?』
「君のせいで、大切な人が傷ついている。もう2度と、連絡してこないでくれ」
『なんの話?』

 僕は今度こそ大切なものを手に入れるために行動を開始する。
 状況の飲み込めていない様子の彼女へ一方的に釘を刺すと電話を切り、着信や受信の拒否を行ったのだった。
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