涙を包むラベンダー(リメイク)
旭山動物園で癒されてから、いざラベンダー畑を目指して旭川を出発。

道の左右は見渡す限りの畑、遠くにぼんやりと山の影、吸い込まれそうな青空。

逢月姫
「はいお茶!運転ありがと!」

途中の美瑛(びえい)町で休憩し、いよいよラベンダー畑に到着。

逢月姫
「よかった…ラベンダー、去年より残ってる。」


『ね、間に合ってよかったね。』

今年のラベンダーのじゅうたんには、あちこちに土色が混じっていた。

半分くらい収穫されていて、満開とはいかなかった。

2人で平地のマリーゴールド畑を通って、斜面のラベンダー畑の中を一歩一歩進んだ。

去年はあんなに短く感じた花道も、松葉杖で歩く今年はとても長く感じた。

少しずつ傾斜がきつくなり、松葉杖を握る私の手は震えていた。

額からにじみ出る汗が、私の頬を伝って落ちた。
< 12 / 13 >

この作品をシェア

pagetop