幼馴染のち恋模様
食事の準備が整い、同じくらいのタイミングで梗介がお風呂から上がった。
「作ってくれてありがとな。めちゃめちゃ美味そう」
「食べよう」
ダイニングテーブルに向かい合って座り、手を合わせる。
「「いただきます」」
梗介はお箸を持つと、一番に唐揚げに手をつけた。
もぐもぐと口を動かす梗介をじっと見つめる。
「前食べた時より美味くなってる・・・」
頭を抱えて項垂れている梗介。
「良かった〜・・・」
漸く安心して葵も食事を始めた。
「俺がいない間、ここでどう過ごしてた?」
「ん〜・・・うちにいる時と変わらなかったよ?本読んだり、家事したり・・・あ、でも毎回入るの緊張してた。流石に2ヶ月経つと慣れて来たけど・・・」
こんな高級な住まいに自分が住めるなんて夢のようで、最初は緊張して寛げなかったけど、今ではどこに何があるかは大体把握しているくらい馴染んでいる。
「そうか。・・・帰ってきてさ、玄関とか風呂場に葵の生活感があって、すごい嬉しくなった。葵がいるのが当たり前になるんだな、って・・・」
「私も、梗介の物の隣に自分の物置くの嬉しかった。これから増やしていこうね。物も、思い出も」
「あぁ」
梗介は葵の左手を取り薬指にはめられた指輪に口付ける。
「指輪、ありがとう。ふふっ、サンタさんに手紙届いたかな?」
「喜んでたよ。葵は俺のだから渡さないって言っといた」
「張り合う相手じゃないでしょ・・・」
食事が終わるとソファーに移動し、コーヒーとさっき作ったトリュフを出した。
「明日バレンタインか・・・これも今日作ったのか?」
「うん。私も今日気がついて慌てて作りました」
「ありがとう。毎年くれてたよな・・・他の奴にも渡してんの見てすげー妬いてた」
妬いてくれてたの・・・?
「本当は私だって本命として特別に作ったやつ渡したかったよ・・・でも、気持ち隠さなきゃって思ってたから、梗介のだけはバレない程度にトッピング増やしたり、包装する時のシール、ハートにしたりしてた・・・」
恥ずかしいこと言っている自覚が少しずつ湧いてきて、声が小さくなっていく。
「そうなのか・・・?もっと味わって食うんだったな・・・」
「このトリュフは本命だよ。梗介だけの特別」
へへっと笑う葵が可愛くて梗介は葵を抱きしめた。
そして、葵の額にキスをしてから・・・爆弾を落とした。
「食べさせて」
「え?」
「葵の手で食べさせて」