メシ友婚のはずなのに、溺愛されてるのですが!?
凜華ちゃんが用意してくれた車に乗せてもらい、着いたのは……とあるホテル。その中にある会場で親睦パーティーを行っているらしい。
……心臓が口から飛び出そうだよ。でも、凜華ちゃんは私の手をがっちりと握っては前に進み、そして会場まで連れてこられてしまった。
う、わ……き、キラキラしてる……
天井にはシャンデリア、そして会場内にはドレスや紳士服で着飾った方々で賑わい、楽しく話をしている。……帰りたい。
「和真はどこだろ~」
「あの、凜華ちゃん、私ちょっとお手洗いに……っ!?」
見つけた。和真さんを。
人と人との間の先に、いた。誰かと喋ってる。……隣に、女性が一人見えた。
私とは全然違う、とても綺麗で大人っぽい女性。笑いながら楽しく喋ってるように見える。
「お手洗い行く? じゃあ一緒に行こうか!」
「あ、うん……っ!?」
いきなり、目が合った。すぐに私は目を逸らして凜華ちゃんの手を掴み、会場の入り口から外に出た。
……何、嫉妬なんてしてるんだろう。一年だけの妻のくせに。一年後に私と離婚して、違う人と結婚する事になるかもしれない。……いや、あんなに縁談が来てたんだから結婚するでしょうね。でも、それは私には関係のない事。一年後には他人になるんだから。
他人に、なるんだから……
けれど、その事実を目の当たりにすると……悲しくなる。だから……一年は嫌だ。
だってあの時、最低、一年って話をしたし、楽しければ延長してもいいぞって言っていたもん。
私が和真さんじゃなくて冬真さんがいい、なんて一言も言ってない。そもそもそんなこと思ってもいない。
あれは、勝手に思い込んだだけでしょ。
「……凜華ちゃん、私、ここで和真さんのほっぺた叩いたらアウト?」
「あら、夫婦喧嘩?」
「……」
夫婦喧嘩……うん、思い込みの喧嘩だ。
まぁ、また叩くなんて事は……ここではしないけれど。でも、勘違いはしたままにはしたくない。
「よし、トイレで作戦会議……」
「何でこんなところにいるんだよ、おい」
凜華ちゃんとトイレに入る直前だった。聞き覚えのある声が、聞こえてきた。
ちらり、と後ろを振り向くと……いた。さっき、目が合った人。
「……おい、凜華」
「ちょ、ちょっとトイレ間に合わないから……」
「あっ」
凜華ちゃんが、トイレに逃げてしまった。私も逃げようとしたけれど、腕を掴まれトイレを離れるように連行されてしまった。